2022.05.31
DELTA
『株式会社デジタルハーツプラス』とのパートナーシップ契約締結のお知らせ

2022年5月31日、DELTA esportsを運営する株式会社DELTA マネジメントは、株式会社デジタルハーツホールディングス(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長 CEO:二宮康真、東証プライム:証券コード 3676)の子会社である株式会社デジタルハーツプラス(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:殿村裕誠)との間で、eスポーツプレイヤーのセカンドキャリア構築を目的とした連携を行うことで合意しました。
今、DELTAが何を考え、どう動こうとしているのか、お伝えしたいと思います。
1、日本の深刻なセキュリティ人材の不足
IT企業及びユーザー企業(産業界全体)の現時点での情報セキュリティ人材は約28.1万人で、現時点での不足数は約13.2万人 となっています。
2020年までにこの人材数が37.1万人、不足数が19.3万人にまで拡大するという試算結果が得られています。(平成28年6月 経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」)

日本企業では、回答企業の30.5%が「過去1年間にサイバー攻撃あるいは不正な侵入を受けたことがある」と回答しており、前回調査(2019年)の21.1%から大幅に増加している。その一方で、65.6%の企業が「サイバーセキュリティ対策への予算が不足している」と回答し、79.0%が「情報セキュリティ人材が不足している」と回答しています。日進月歩で高度化・複雑化する攻撃手法に対して日本企業が対応できていない現状であるとみられます。( KPMGコンサルティング、「サイバーセキュリティサーベイ2022」)

日本のeスポーツ市場は年々拡大しながらも、50万人以上のeスポーツプレイヤーのほとんどが、eスポーツ業界に残ることができず、その技術やノウハウを活かせないまま、第二の人生を過ごす例が少なくありません。
しかし、実は、引退したeスポーツプレイヤーの能力を活かしたキャリア形成は、19万人以上のセキュリティ人材不足と言われる日本企業のサイバー問題を同時に解決できる可能性があるのです。
2、サイバー攻撃の被害状況とサイバーセキュリティ
サイバーセキュリティの重要性は、最近のニュースを見ればわかります。
2021年の世界のサイバー攻撃総被害額は、6兆ドル(約660兆円)に上る見込み。2015年の3兆ドルから倍増する可能性がある。また、デジタル化が進む状況下、被害規模は増加傾向にあり、2027年には10兆5000億ドル(1154兆円)に拡大する可能性にも言及しています。(サイバーセキュリティ・ベンチャーズ 推計)
また、日本企業のサイバー攻撃の被害にあった割合を言えば、1年以内に自社がフィッシング(インターネット利用者から暗証番号などの情報を詐取すること)攻撃の被害にあった日本企業の割合は50%であり、1年以内に自社がランサムウェア(身代金要求型ウイルス)攻撃の被害にあった日本企業の割合は53%でした。(2021年4月 Ivanti Software サイバー攻撃に関する実態調査)
それに応じて、
世界のサイバーセキュリティへのベンチャーキャピタルの投資は、2021年には、2020年に比べて倍増しています。
2021年8月には、投資家たちが2021年の前半に115億ドル(約1兆3242億円)のベンチャー資金を投じたことが明らかとなっています。これは2020年の同時期に投じられた47億ドル(約5412億円)の倍以上の額となります。(2021年12月31日 Tech Clunch)
世界の著名企業の例で言うと、
① グーグルは今後5年間でサイバーセキュリティ強化のために計10億ドル(約1100億円)を投じる。
② マイクロソフトは今後5年で20億ドル(約2200億円)を投じ、サイバーセキュリティツールの強化・開発を進めるほか、連邦・州・地方政府のセキュリティシステムのアップデートに1億5000万ドル(約164億円)を投じる構えも
③ IBMは今後3年で15万人のサイバーセキュリティ人材を育成
といった発表をしています。
そして、
日本の企業はサイバーセキュリティへの投資はというと、
2022年にサイバーセキュリティ投資を最大50%増額する予定の企業が過半数を占めています。本調査によると、63.1%の企業がサイバーセキュリティへの投資を強化する予定で、16.3%はわからないとし、88.6%は最大50%の予算増を計画していることがわかりました。一方、73%の経営者は、テレワークに対応するための新たなセキュリティ対策の導入をすでに開始しています。(2021年10月 SecureAge Technology 「2021年セキュアエイジ コロナ禍のサイバーセキュリティに関する調査」)
他人事のように見える世界のサイバー攻撃は、既に日本の企業を襲っていることが浮き彫りになり、そのリスクにようやく気づき始めています。
3、なぜDELTAは、サイバーセキュリティ事業に携わるように決めたのか?
日本のeスポーツファンが増加傾向とは裏腹に、日本のプロeスポーツプレイヤーは、世界に比べても年収が低いと言われています。世界では、数億円を稼ぐプロゲーマーも多くいますが、日本では、年収平均300~400万円で、そのほとんどが年収100万円以下と言われています。1000万円を超えるプロゲーマーはほんの一握りです。
その上、
eスポーツプレイヤーは、ピークは20歳から30歳頃と言われおり、他のプロプレイヤーと同じく、第二の人生を歩むことになリます。しかし、eスポーツプレイヤーのセカンドキャリアは、以下のような問題があり、あまり進んでいません。
① 業界に残れない、コーチとしての需要がない
「ゲームの賞味期限」というのがあり、ゲームも栄枯衰退があります。ゲームが変わると必要な要素が変わり、実力がリセットさせてしまい、居場所がなくなってしまいます。
② 引退しても不十分な知名度で、業界内の転身は難しい
これは全てのプロスポーツに言えることですが、実力、人気を兼ね揃えていないと、業界内で解説者、実況者、コーチなどへの転身は難しいと思われます。ましてや、国内のeスポーツ市場はまだ成長期なので尚更です。
③ 青年期に適切な職業訓練ができない
10代から20代前半は、将来の職業に向けて、さまざまな職業訓練を受けている時期ですが、この時期にeスポーツに没頭することにより、このeスポーツ業界以外のことを知らないまま社会に出ていくことになり、キャリア形成が難しくなってしまうのです。
(参照:ブログ「破竹の勢い」2019年4月10日)
ほとんどのeスポーツチームでは、”プロeスポーツプレイヤー”として所属するのは短期間で、一過性のものでしかなく、その引退したプロeスポーツプレイヤーの行く末までフォローするところは少ないとが実情だと思います。
しかし、現在では、プロ野球やプロサッカーの選手でも、セカンドキャリア問題は重要視されており、球団やチームによっては、引退後の就職先までフォローするところも増えつつあります。
それがわかっているのであれば、これから発展するプロeスポーツの世界でも例外ではないのは明らかです。プロeスポーツプレイヤーに対しても、早くからセカンドキャリアのフォロー体制を整えていきたい、というのが僕らの願いです。
4、DELTAが、サイバーセキュリティ事業を勧めやすい2つの理由
DELTAが、eスポーツプレイヤーにセキュリティエンジニアを勧めやすい理由として、2つあります。
その1:DELTAが関わるeスポーツプレイヤーは13~20歳
DELTA esportsが特化してきたのは、フォートナイトですが、フォートナイトのプレイヤーの年齢層は、13歳~20歳くらいまでが中心で、競技ピークは15~18歳くらいまでで、高校卒業と同時に引退するプレイヤーも少なくありません。長くても20~22歳程度でしょうか。
もちろん、20歳を超えてからピークを迎えるゲームジャンルもあり、大学を卒業するぐらいのタイミングで、セキュリティ業界を目指すことも可能ですが、
人生の早いうちからセキュリティに対する意識のハードルを下げながら、高校卒業後の進路として、引退するプレイヤーに対するセカンドキャリアとして、セキュリティエンジニアを将来の職業として提案しやすいと言えます。
その2:eスポーツプレイヤーとセキュリティエンジニアの親和性
セキュリティエンジニアとして向いている性格として、
・細かい点を見逃さない人
・自ら積極的に学ぶ人
・負けず嫌いな人
・困難にくじけず、最後までやり抜く人
などが挙げられます。
これは、正にeスポーツプレイヤーに向いている特徴であり、セキュリティエンジニアとして適正だと言えます。
PwCコンサルティング合同会社によれば、eスポーツとサイバーセキュリティとの親和性について以下のような能力が類似しているとしています。
大量の情報から必要なものを見分ける集中力
サイバー攻撃の手口や攻撃者の心理を読んで対策を講じる戦略的な思考力
そういう意味でも、僕らが普段からコミュニケーションをとるeスポーツプレイヤーたちは、人材の宝庫と言えます。
5、差別化したチームづくり
国内外に限らず、eスポーツチームの収入源は、大会の賞金、アパレル、スポンサーの3本柱が中心で、さほど変わりません。
有名プレイヤーの存在、大会の成績により、ブランディングも大きく変動することが予想され、不安定要素が多いと思われます。
比して、DELTAは、eスポーツチームの中でのいち早く、人材育成に目を向け、将来的にeスポーツプレイヤーをセキュリティエンジニアとして、羽ばたかせる画期的な動きを行おうと思います。
他チームとの差別化を行い、独自のチーム形成とマネジメントで、”将来を安心して世界を狙えるチーム”を作り上げていきたいと思っています。
【会社概要】
株式会社DELTAマネジメント
代表取締役 船曳 海斗
所 在 地 福岡県北九州市八幡西区黒崎3-5-12
チーム発足 2019年10月
Twitter @DELTAGG058 (1.7万フォロワー)
株式会社デジタルハーツプラス
代表取締役 殿村 裕誠
所 在 地 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
事 業 内 容 総合デバッグ・テストサービス、セキュリティ事業、一般事務業務